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こういった夢を持っている方、いますか?
そのために、今できること・できる準備はしておきたい!という人にとってこの記事は必見です。
前回の記事では、
運動指導者になるために、選手や学生など動けるうちにしておくべきこととして、「運動を分析する能力」を高めることついて解説しました。
今回は、その続編となります。
指導者になってから「運動を分析する能力」をうまく発揮するためには、「運動を共感する能力」を身につけておくことが必要です。
ここでは、今選手や学生である人が「運動を共感する能力」を身につけるために、どんなことをしておく必要があるかを解説します。
この記事を読むことで、運動指導者にとって必要な、「運動を共感する能力」を身につけるために、動けるうちにどんなことをしておくとよいかが分かるようになります。
運動を分析できるだけでは指導できない
学習者に動きを教えるとき、
- 今のは△△がよくなかったな
- もっと○○な感じの方が上手くいくかな?
などと考えつつ、「○○な感じでやってみて!」と伝えることはよくあることでしょう。
でも、学習者がその感じでやろうとしても、うまくいかないことがあります。
学習者からすれば、“言われたことをやろうとしてもうまくできない”という状況です。
たとえ「○○な感じ」が正しいとしても、このような状況は起こりえます。
では、どうして学習者はその感じでできないのでしょうか??
それは、指導者の「共感力」が足りないからです。
指導者が動きをみて、「○○がよくなかった」と感じるとき、学習者はその動きをどんな感じでやっているのか、を考える必要があります。
「今のは○○がよくない!」「もっとこんな感じでやった方がいい!」という、指導者の動きを分析する能力はもちろん必要です。
しかし、外見だけではなく、学習者がどんな感じでやっているのか?ということ
例えば、
・わざとその動きにしているのか
・何かを意識していて、その動きになってしまっているのか
・恐怖などの障害があって、思うように動けていないのか
・まったく無意識のうちにそうなってしまっているのか
などといった、学習者の感覚の世界に入った上で、指導することが重要になってきます。
つまり、学習者自身の動きの感じの世界に対して、指導者がその動きの感じを「共感する能力」が効果的な指導をするためには必要なのです。
共感できるレベルには差がある
単に、“共感する”といっても、深く共感できたり、なんとなく共感できたりなど、
そのレベルには程度差があります。
例えば、
目の前ですべって転んで地面に顔をぶつけている人をみたとき、思わず顔を背けて、「痛っ!」と言ってしまいますよね。
これは、共感できていると言えます。
また、
目の前でギックリ腰になった人がいたとき、
・うわ!それは痛い…… と深く共感できる人と
・なんだか痛そう…… となんとなく共感する人とがいます。
この差は、ギックリ腰を経験したことがあるかどうかで大きく異なります。
ギックリ腰を経験したことがある人にとっては、今目の前でギックリ腰になった人のその痛みを丸々共感することができます。
しかし、ギックリ腰を経験したことのない人にとっては、「捻挫のような痛みが腰にあるのかな?」「ぶつけたような痛みなのかな?」というように、自分の経験したことのある痛みに置き換えて共感することになります。
つまり、自分の経験したことのある物事と、似ていれば似ているほど、その感じに深く共感することができるのです。
運動を共感する能力を上げるためには、たくさんの運動経験を積むことが必要
「運動を共感する能力」を向上させるためには、より多くの運動経験を積むことが大切です。
そのため、将来運動指導者になろうと考えている人は、身体が思うように動く選手や学生であるうちに、様々な運動をしておくことをオススメします。
今までやったことのない技や動きを経験しておく、ということももちろん必要ですが、自分のやったことのある技や動きでも、今までとは違うやり方でやってみたり、条件の違う状況でやってみたりする、といったことも効果的です。
さらには、試合や人前で動きを見せる舞台などの緊張した場面で、技や動きをするということは普段の動きの感じとは異なるため、大変貴重な運動経験になります。
動けるうちにさまざまな運動経験を積んでおくことが、指導者になったときの財産となり、「共感する能力」につながるのです。
まとめ
運動指導者にとって必要である、「共感する能力」について解説してきました。
運動指導者として、効果的な指導を行うためには、より学習者の動きの感じに共感した上で、運動を分析していく必要があります。
学習者に対して、より効果的な指導を行うためには、「運動を分析する能力」そして「共感する能力」が不可欠です。
その2つの能力を鍛えておくことで、目の前の学習者それぞれに合った指導を行うことができるようになります。
これらの能力の基盤は、たくさんの運動経験によって支えられます。
現在、選手や学生である人は、今のうちにたくさんのことにチャレンジして、様々な運動経験を積んでほしいと思います。
すでに指導者となっている方でも、今まだ動けるのであれば、まだまだ新しいことにもチャレンジしてほしいと思います。
以上、運動指導者になるために、動けるうちにしておくべきこと【その2】でした。