全日本体操個人総合選手権が始まりましたね。
予選が終わって、一体操ファンとして、ぼくの感想をつらつらと書きたいと思います。
あくまでぼく個人の考えですので、軽く読み流してもらえればと思います。
●久しぶりの会場外からの観戦
今回は、久しぶりに会場外からの試合の観戦でした。
昨年まで、当たり前のように全日本個人の会場に行っていましたが、
今では、ほんとに色んな意味で遠く感じます。
観戦といっても、テレビやライブ配信などで映像をみたのではなく、
ライブリザルトをみながら、こんな演技だったのかな?と想像しながらの仮想観戦です。
選手みんなを応援しているのですが、
やはり関わった後輩や同期などは特別応援してしまいますね。
●ライブリザルトをみて思ったこと
全体的に、Eスコアが出ていないなという印象です。
東京オリンピックが終わって、新しいルールに移行しましたが、
2013年版 → 2017年版 に比べると、
2017年版 → 2022年版 は点数の出方を大幅に改定するものではありません。
2013→2017 では、グループ要求が一つずつ減ったので、
約3.0点ほどのDスコアの減少がありました。
2017→2022 では、難度変更や加点のつけ方が多少変わりましたが、
全員が1.0点を超えるような増減がある変化ではありません。
・全体として、Dスコアがあまり変わっていないこと
・そして昨年の予選と比べるとあまり点数が出ていないこと
(30位の決勝ボーダーは1点近く低い)
といったところから、Eスコアが出ていないなと感じました。
●代表、ナショナルを勝ち取る人は?
粘り強く、大きなミスに繋げずにNHK杯まで演技をやり切った人が、
勝ち上がるのかなと思います。
2017→2022 のルール改定で、点数の出方はあまり変わっていないと言いましたが、
ルールに合わせて、演技構成を大幅に変える人が多くいます。
2022年版のルールが出て、間もない中で仕上げた演技構成よりも、
2017年版のルールの中で、約5年間積み上げた演技構成の完成度が高い、
という人は多くいるでしょう。
そんな中で、高い完成度で上位にいる選手たちは本当にすごいと思います。
(もちろん全日本個人に出ているだけでみんなすごいです……!)
昨年度はみんなが演技を仕上げてきている中で、
どれだけ完成度の高い演技をやり通せるか、という戦いでしたが、
今回は、全日本予選、決勝、そしてNHK杯までの18演技で、
大きなミスなく、粘り強く演技をやり切った人が、勝ち残るのかな、と思います。
●新ルールについて、思うこと
体操競技のルールは、オリンピックを機に、改定されます。
体操競技がより発展することを目指して、ルール改定がされると思うのですが、
なんだか、別の方向へ向かっているような気もします。
2013→2017 のルール改定で大きく変わったところは、
グループ要求が5つから4つへ減ったことです。
一つは終末技(下り技)のグループなので、
2013年版では、4つのグループから9つの技 + 下り技
2017年版では、3つのグループから9つの技 + 下り技 という演技構成になります。
つまり、大きな枠が4つから3つになったことで、
一つの枠から5つまでという上限はありますが、
選手たちは好きに技を選んで演技を構成することができたのです。
それもあって、鉄棒の手放し技が得意な選手が活躍するなど、
スペシャリストが多く誕生しました。
(五輪出場枠にスペシャリスト枠があったことも関係しますが)
しかし、
2017→2022 のルール改定では、
グループの数は変わらないものの、「特別な繰り返し」というルールがかなり増えました。
実質、大きな枠が5つ6つに増えていて、
その中で選手が好きな技を9つ選んで演技を構成しているようなものです。
みんなに色んな技をやってほしいというような意図があるのかもしれませんが、
それは、みんなが同じような演技構成になってしまうという可能性が大いにあります。
このままでは、極端にいうと、
試合で行われる演技は、かつて廃止された規定演技のみになり得ます。
(一度そこに回帰すれば、新しい技術が発達するとは思いますが)
それでは、体操競技はつまらないものになってしまうのかなと思います。
選手たち、そして指導者たちが今のルールの中で、そして合間を縫って
独創的な演技を作り上げていってくれることを期待します。
●まとめ
全日本個人の感想から、新しいルールについて、考えてみました。
あくまでぼく個人の意見ですので、ご容赦ください。
以上、第76回全日本体操個人総合選手権予選の感想 でした。