体操

第76回全日本体操個人総合選手権決勝の感想

全日本個人の決勝が終わりましたね。

ぼくは現地で試合を観戦できたわけではありませんが、
考えさせられる出来事が多かった大会だったのではないでしょうか。

予選と同様、一体操ファンとして感想を書きたいと思います。

橋本大輝選手の2連覇

東京五輪個人総合金メダリストの橋本大輝選手の2連覇!

新ルールに対応しつつも、予選での平行棒のミスも修正して、
決勝では完璧に演技をやり切る。
そして2位の神本雄也選手に2点以上差をつけて、堂々の優勝。

素直にすごい!って言葉が出てきてしまいます。

(2位の神本雄也選手は同年代なので、準優勝なのめちゃくちゃ嬉しいです)

橋本選手が昨年は点数が伸ばせていなかったつり輪でも、
全体で5位にもなる点数を取っていて、ものすごく成長を感じました。

でもやはり一番すごいのは鉄棒
アドラーハーフ~リューキン という難しい組合せを新たに加えつつ、
これまでの高難度技も入っている演技構成で、

しかもそれを6種目の最後に完璧にやり切れるというのが、本当にすごいと思います。

得意種目にこだわりをもって、攻めた演技ができるというのは、
点数うんぬんだけではなく、

観ているこちらもワクワクするし、魅力的に感じます。

2連覇、おめでとうございます!

試合における怪我について

今回、決勝の舞台で、怪我をして途中棄権をした選手もいました。

選手が怪我をしたとき、試合を続行するのかどうか、
監督、コーチ、トレーナーたちはその判断を迫られます。

もちろんこの全日本個人の試合まで、たくさんの努力を積み重ねてきたのですから、
やれるものなら選手に最後まで演技をさせてやりたいという気持ちが湧いてきます。

ましてや、代表選考も兼ねているのですから、
可能性がある限りは……と考えるのも至極当然です。

選手の身体のことを長い目で見て考えると、
即刻試合を中断する必要があるというのも、頭のどこかにあるでしょう。

そういったことを考え、監督が最終的な判断を下すことになります。

結果がどうであれ、目の前にいる選手のことを考えた監督の判断は、
“そのときの最善”であると言えるでしょう。

後から、あのときもっとああすればこうすれば、というのは当事者がするのであって、

まわりのぼくらがどうこう言えるものではないと思っています。

ただ、ぼくらができることは、
選手ができる限り早く、怪我を治して復帰してくれることを願うのみです。

試合会場の観客が少なすぎる?

東京体育館で行われた全日本個人ですが、決勝であった昨日でも、
観客が満員!ということはなく、かなりスカスカの状況だったようです。
(1000人強であったと言われています)

コロナの影響もあるのでしょうが、
日本で一番の選手を決める試合であるのに、
あまり観客がいないというのはなんだか悲しい気持ちになります。

また、内村航平選手の引退試合での観客数(6000人ほど)と比べると、
その存在の大きさを改めて考えさせられます。

ふと観戦チケットの一般販売のサイトをみてみると、
……こんな高かったっけ?と驚きました。

B席一般3500円 A席一般5000円(いずれも当日料金)

初めての人が観戦する場合にはこの辺りの席を選ぶことになると思いますが、
この辺りの席ではかなり選手が演技しているところから距離を感じると思います。

かといって、前の席をとろうとすると、

S席一般6500円 SS席一般10000円!(いずれも当日料金)

気軽に観に行ける値段ではないのかな、と感じてしまいます。

日本で行われる体操競技の大会は、
海外に比べると、”選手ファースト”であると感じています。

選手にとってはもちろん嬉しいことなんですが、
観客にとっては、とくに初めて体操競技を観る人にとっては、
スポーツ観戦としてあまり楽しめないのではないかと思います。

海外の大会では、競技の合間にショーなどの催しものがあったり、
派手な選手入場・紹介があったりして、なんだかワクワクさせてくれます。
(その分、選手は練習もできないまま競技前に待たされたりすることもあります)

”選手ファースト”で、選手たちが持ってる力を存分に出せる、
ということは日本での大会の良さであると思います。

しかし、体操競技を、「観るスポーツ」として発展させていくには、
海外に倣うべきところは多くあるのかな、と思います。

まとめ

全日本を久しぶりに会場以外のところで観戦したことで、色んなことを考えました。

自分の育てた選手をいつか全日本に!という思いもありますが、
もっともっと体操競技が注目されてほしいという願いもあります。

すこしでも体操界に貢献できるよう、ぼくも目の前のことを頑張っていきたいと思います。

以上、第76回全日本体操個人総合選手権決勝の感想、でした。

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA