【保護者向け】マット運動、家で練習させて大丈夫?やってよい練習とだめな練習
- 子どもが「家で前転の練習がしたい」と言い出した…
- やらせてあげたいけれど、けがをさせないか心配…
- どこまでならやらせてよいのか、判断がつかない…
ご家庭で、このようなことはありませんか?
家でマット運動の練習をさせるのは危ないのではないか。かといって、子どもがやる気になっているのを止めたくない。そんなふうに、判断に困ることがあると思います。
迷ったときは、一つの基準として「頭から落ちてしまう可能性があるかどうか」で判断してください。
これが、家でやってよい練習と、やってはいけない練習のいちばん分かりやすい線引きになります。
この記事では、私が1,000人以上に指導してきた経験から、
- 家でやってはいけない練習
- 家でできる練習
- 家で練習するときの約束
について解説します。
この記事を読めば、お子さんに「やっていいよ」と言える練習と、止めるべき練習が分かるようになります。
なお、この記事ではマット運動の動きや技に絞ってお話しします。跳び箱や鉄棒は器具が必要になるため、別の記事で扱います。
家でやってはいけない練習
先に、家ではやることを避けたい技や動き、やってはいけない練習方法からお伝えします。
逆立ちで回る技(側転など)
側転のように、動きの途中で逆立ちの姿勢を通る技は、家ではやらせない方がよいです。
理由は、意図せず曲がって、倒れてしまうことがあるからです。
まっすぐ回れるつもりでも、慣れていないうちは身体が左右にずれます。また、何度も練習すると途中で疲れて、かたちが崩れてしまうこともあります。
狭い家の中では、思いがけず
- 家具に当たってしまう
- 硬いフローリングの上に落ちてしまう
ということが起こります。そして倒れたときに、頭から落ちてしまう・頭を家具にぶつけてしまう危険があります。
側転のコツと練習法については、別の記事で詳しく書いています。体育館やマットのある場所で取り組んでください。
「逆立ちで回転するかどうか」が、見分けるときの目印です。
逆立ちで回る技は側転の他に、
- ロンダート
- 前方倒立回転とび(ハンドスプリング)
- 倒立~ブリッジ
- バク転
などがあげられます。
ソファやベッドを、マットの代わりにすること
家でやってはいけない練習方法として、ソファやベッドなどで段差のあるものをマットの代わりにすることは、やめさせてください。
前転や後転などをやったときに、段差のあるところから落ちると、思いがけないけがが起こる可能性があります。
ソファやベッドの上で跳んだり、そこから跳び下りたりすることももちろん危険です。
「やわらかいもの」をマットの代わりとして使いたいと思いますが、その場合は床との段差が小さい敷布団やマットレスを使用してください。
体育用マットの厚みは、5~6cm程です。家のふとんやマットレスでも、同じかそれ以上の厚みは確保してください。
他にも、クッションなど小さいものは、衝撃を吸収できる範囲が小さいので使用は避けてください。
やりたい動きや技が、多少ずれても大丈夫なように、大きめのものを使用してください。
家でできる練習
ここからは、家でやってよい練習です。
どれも逆立ちで回転しない=頭から落ちる可能性が比較的低いものです。
前転・後転(ふとんの上なら)
意外に思われるかもしれませんが、前転と後転であれば家でもやってよいと思います。
前転・後転は、背中や腰を順番に地面につきながら回る技です。逆立ちの姿勢を通りません。そのため、頭から落ちるという心配は比較的小さくなります。
ただし、場所には条件があります。
- 十分にやわらかいふとん、またはマットレスの上で行う
- まわりに家具や人がいない広さを確保する
硬いフローリングの上では、背中や首を痛めます。必ず下にやわらかいものを敷いてください。
マットが家にあるのならば、それを使用するのが一番よいです。
しかし、そんなご家庭は多くないかと思います。ふとんを重ねたり、マットレスなどを使用して、厚み5~6cm以上のやわらかいものを敷いてください。
練習を始める際は、保護者の方が回っても痛くないかを十分に確認してください。
前転のコツと練習法については、別の記事で詳しく書いています。
後転で首が痛くなる原因とそのときの練習法については、別の記事で詳しく書いています。
手で身体を支えたり、身体を伸ばす練習
マット運動の技は、どれも手で身体を支えることが土台になります。
ここが身についていないまま技に挑戦すると、支えきれずに崩れてしまいます。この土台づくりの部分は、家でもできる練習が多くあります。
①カエルの足たたき
やりかた:しゃがんだ姿勢から、少し前に手をつきます。ひじを伸ばしたままおしりを上げ、左右の足を合わせるようにたたきます。
このとき、ずーっと手と手の間を見ておくようにしましょう。
この練習は「前転」や「倒立」につながります!
家でやるときは:ひじが曲がったり、足が上がりすぎたりして、前に倒れることがあります。
前に倒れても大丈夫なように、ふとんやマットレスを配置して行うようにしてください。

②足上げケンケン
やりかた:手をついた姿勢になり、片足を上に上げます。上げた足はそのままにして、もう片方の足でケンケンします。
ここでも、手と手の間を見ておくようにしてください。
この練習は「倒立」や「側転」につながります!
家でやるときは:ひじが曲がったり、足が上がりすぎたりして、前に倒れることがあります。
前に倒れても大丈夫なように、ふとんやマットレスを配置して行うようにしてください。

③くま歩き
やりかた:手をついた姿勢になり、ひざが地面につかないようにして四つ足で歩きます。
おしりを高く上げて、手で地面を押し返しながら歩くようにします。
この練習は「前転」につながっていきます!
家でやるときは:慣れてくると、子どもはスピードを出して走りたくなってしまいます。
スピードがつくと、勢い余って頭をぶつけてしまうので注意してください。
ゆっくりでよいので、おしりを高く上げることを意識しましょう。

④ブリッジ
やりかた:背中が地面につくように寝転がります。手を顔の横辺りの地面について、手と足を踏ん張るようにして、腰を浮かせます。
ひじをぴんと伸ばすようにして、大きなアーチができるようにしましょう。
この練習は、体育や体操教室で挑戦する難しい技の土台になります!
家でやるときは:手で押しきれずに、頭がついた姿勢になってしまうことがあります。
頭がついても痛くないように、ふとんやマットレスの上でやりましょう。

⑤背倒立(えんとつの姿勢)
やりかた:背中を下にして寝転がって、足を天井に向かって上げます。
腰も浮かせて、背中から足の先までまっすぐになるようにします。
この練習は「後転」や「倒立」につながっていきます!
家でやるときは:足を上に上げたときに、背中や首のあたりに少し負担がかかります。
痛くないところで、もし倒れてしまっても大丈夫なように広いところで行ってください。

境界線にあるもの:壁倒立
ここまでの「逆立ちで回転しない」という線引きでいくと、判断が難しいのが壁倒立です。
壁倒立は逆さまで手で支える技ですが、壁があるぶん、向こう側へ倒れる心配は少なくなります。
私の判断としては、次の条件がそろっていれば、やってもよいと考えています。
- 壁に何もかかっていない(時計、額、棚など)
- 壁の下に、頭から落ちても大丈夫なものが敷いてある
ただし、ここはぎりぎりのところです。最終的には各ご家庭で環境を見て、判断していただくことになります。
壁倒立のコツと練習法については、別の記事で詳しく書いています。
家で練習するときの約束
どの練習にも共通する約束です。
- 十分な広さを確保する(まわりに家具や人がいないこと)
- 大人が見ている
この2つが守れない場合は、やらせないでください。
そのうえで、家で練習ができる範囲であれば、「できる」ことを目指してかまいません。
カエルの足たたきが上手になった、ブリッジができるようになった。こうした手応えは、そのままマット運動で技に挑戦するときの自信になります。
「見ていてあげること」が、いちばんの安全対策です!
まとめ
今回は、マット運動を家で練習するときの線引きについてお話ししました。
家でやってはいけない練習
- 逆立ちで回転する技(側転など)
- ソファやベッドなど段差の大きいものを、マットの代わりにすること
家でできる練習
- 前転・後転(やわらかいふとんの上で)
- 手で身体を支えたり身体を伸ばす練習(カエルの足たたき、足上げケンケン、くま歩き、ブリッジ、背倒立)
- 壁倒立(条件がそろえば)
迷ったときは、「頭から落ちる可能性があるかどうか」で考えてみてください。
そして、家でできないこと=やらせたくない動き、ではありません。
側転のような技は、マットがあって、先生が見ている場所でこそ安心して挑戦できます。
家では手で身体を支えるといった動きの土台をつくり、技は体育の授業や体操教室で。そう分けて考えると、お子さんの「やりたい」という気持ちを止めずにすみます。
なお、跳び箱と鉄棒については、器具が必要になるため、この記事では扱いませんでした。こちらは別の記事で改めてお伝えします。
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